2014年12月9日、国際人権デーの前夜、長期にわたり収監されている南(内)モンゴルの「政治犯」ハダ氏(59)が、妻シンナと息子ウイレス、弟の玉山、妹の玉月らと内モンゴル警察局が所有するアパートで面会を許された。
ハダ氏は2010年12月10日に15年の刑期を終えた後、フフホト郊外にある「黒い(秘密)刑務所」に司法の決定を受けずに4年間収監され、今年11月17日、厳重に監視された一般のアパートのような施設に移管された。
何度も試みた結果、南モンゴル人権情報センター(SMHRIC)は昨夜、ハダ氏との短いスカイプ・ビデオ・インタビューに成功した。インタビューは中国当局に妨害されたのは明らかで、ほんの15秒で途切れた。それに続いて、シンナ、ウイレス、ユシャン、ユユエらに電話をしたりスカイプで連絡を取ろうとしたりしたが、すべて妨害されて通じなかった。
短いビデオ・インタビューでハダ氏は以下のように話した。健康診断が許可され、その結果10か所以上の病気が判明し、同氏によれば、それらは全て19年間に及ぶ刑務所の非人道的な扱いと過酷な条件が原因で起こったものである。同氏はさらに、今のところアパート群の5階に軟禁状態で、ここには一日中警備員による厳しい監視がついていると語った。
文書による複数の情報では、ハダ氏とその家族はいかなる「悪行」も「犯罪」も認めておらず、不公正な裁判、非合法の収監と司法によらない拘束の責任者に対して訴訟を起こすと、シンナ女史は語ったという。シンナ女史はまた海外メディアの電話インタビューで、玉山と玉月らは電話インタビューを一切受けないよう警告されたと明かした。
東部標準時で本日午後11時頃にSMHRICが受け取ったメッセージによると、ハダ氏の住居とその周辺では有線・無線にかかわらずインターネットが遮断されているとシンナ女史が確認した。ハダ氏を「黒い刑務所」で監視していたのと同じ公安職員がシンナ女史とウイレス君に張り付いているという。
「今日は国際人権デーですが、私たちはいまだコミュニケーションやインタビューを受ける権利を守ることが困難な状況です」とシンナ女史が最後に語った。
南モンゴルの亡命者とその支援者は本日、自分たちが住む国の中国大使館・領事館前で抗議活動を行い、中国政府にハダ氏とその家族の釈放を訴えた。世界中の南モンゴルのコミュニティはハダ氏が本当の意味で釈放されたとは決して考えていない。むしろ、これは「住宅における監視」と呼ばれる軟禁で、ハダ氏には移動・集会の自由、コミュニケーションの自由、表現の自由が全く与えられていない。厳しい監視下で家族や親戚との短い、散発的な面談は許されているが、わが家において本当の意味で家族と再会することはいまだに実現していない。
(原文)http://www.smhric.org/news_550.htm