モンゴル人の反体制活動家ハダ氏が火曜日(3月3日)、国連人権会議に公開書簡を提出した。書簡では、20年に及ぶ刑期を終え釈放されて以降も続く家族に対する不当な扱いを止めるよう中国へ圧力をかけてくれることを嘆願している。
老練な人権活動家ハダ氏(60)は、「分離主義」「スパイ行為」による15年間の刑期終了後、さらに4年間非合法に拘束されていたが、昨年12月に釈放された。ハダ氏は今年1月、内モンゴル当局によって銀行口座が凍結されたため、家族が困窮状態にあると語っていた。
同氏は「書簡は、国連の担当者に対し口座の問題が解決されるよう嘆願する内容です」と、ラジオ・フリーアジア(RFA)漢語(中国語)サービス課に語った。「国連が迅速に動いてくれなければ、家族は物乞いしないといけなくなります」と電話インタビューに答えている。
「私は19年間刑務所にいました。この19年間のうち4年間は違法な拘束でした。私は長い間虐待を受けたため様々な病気にかかっています」とインタビューに答えている。ハダ氏は自分の経営していた書店が当局に閉鎖された上、息子も就職できないため、家族の生活が苦しくなっている。
「いま私たちは友人からの援助で暮らしています。貯金はほとんど空っぽです。おまけに銀行口座は警察によって凍結されたままです」とハダ氏は語った。
全国政治協商会議と全国人民代表大会の年次総会のために各代表が北京に集結している時に、家族の窮状をアピールしようとしていると、同氏はRFAに話した。
「国家の管理に憲法を活用すると中国当局が発表して以降は、法の支配を実行に移す以外に選択肢がありません。この書簡を書いた目的は、政治協商会議や全人代に出席する代表たちに関心をもってもらうことで、法の支配を確実に実現する具体的方策を取ることができると考えたからです」とハダ氏は語っている。
法の支配が宣言されたことは「私たちの事件が再評価され、それによって私たちが自由のある普通の暮らしができる可能性が出てくるのです」と同氏は語った。
妻のシンナ氏は夫を支持し、法に従って中国を統治することは、習近平主席の政治スローガン「4つの全面」の一つであると言及した。
「『全面的な法による国家統治』というのはその一つです」と、シンナ氏はRFAに語った。
習主席の他の3つの「全面」は、「小康(ややゆとりのある)社会の全面的建設」「改革の全面的深化」「全面的な厳しい党内統治」である。
「私は中国政府が速やかに法を実施し、家族の問題が早く解決されることを望んでいます。夫はとりあえず釈放されましたが、自由とは言えない状況だからです」と、シンナ氏は語った。