南モンゴル人権情報センターの
「クリルタイ(世界南モンゴル会議)」に関する声明
日本で結成されようとしている「クリルタイ(世界南モンゴル会議)」に関する南モンゴル人権情報センターの立場をここで表明します。
1.まもなく結成される予定の「クリルタイ(世界南モンゴル会議)」について計画・立案・実施などあらゆるプロセスにおいて当センターに正式なコンタクトがなかったことについて関係者の明確な意図と目的があったのでしょう。当センターは、そのことを尊重し、この「クリルタイ(世界南モンゴル会議)」に合流する要望を出さないことを表明します。
2.南モンゴルを取り巻く内外の可能性を分析してみると、南モンゴルのモンゴル人による市民団体がまだ十分に育っていない上、「クリルタイ」という歴史上非常に重要で神聖であるべき団体を設立しそれに合流できる資格を有する団体がいまだに誕生していないことは遺憾です。
3.当初の発表ではその目的を「独立」としていましたが、しばらくすると「独立」の表現を削除していたこの「クリルタイ(世界南モンゴル会議)」は一体何を目指すいかなる団体であるのかが明確になっておらず、綱領・規則・組織・構成員・法的地位などについて公表されたものが何もないため、諸団体が合流して協力する態勢が十分整っていないことが明白です。
4.10年ほど前から協議され想定されていた「南モンゴル・クリルタイ」は、在外の限られた個人と団体の希望を満たすためのものではありませんでした。それは、南モンゴル社会のあらゆる階層が適正に参加して協議した上で、開かれた民主主義のルールにより設立される独立した統括組織でした。そのため、設立を急いで中途半端で簡略すぎる組織、また細分化や重複した組織になってしまわないよう注意を払いながら議論したことが思い出されます。クリルタイという組織は、南モンゴルの将来の目標を実現するためのプロセスにならなければならず、それ自体が目的ではありません。
以上のような状況から南モンゴル人権情報センターは、「クリルタイ(世界南モンゴル会議)」が、どのような形でも合流・協力する態勢が十分整っていないことに対して遺憾の意を表明します。
南モンゴル人権情報センター
2016年11月4日
於 ニューヨーク