被告1人とフフボラグ弁護士によると、南(内)モンゴル、オンニュード・ホショー(翁牛特旗)出身の牧民6人が懲役1~2年の判決を受けたが無実を訴え、内モンゴル自治区人民高等裁判所に控訴した。トルゴール、トゥグスバヤル、ナサンダライ、ジャルガルト、オラーンバル、ムンフバヤル各氏の牧民6人は、自治区高等裁判所に対し、事件を直ちに再審し、オンニュード・ホショー人民裁判所による
2013年12月21日付の判決を取り消すよう訴えている。
トルゴール氏は「2013年5月下旬に逮捕され、警察による取調中、初めは『国家統一破壊、国家分裂扇動』で告発されました」と水曜日の電話でSMHRICに語った。「のちに当局は主張を変え、『生産経営妨害』の罪で私たちを告発しました」。
「私たち6人全員は、のちに減刑される長期懲役刑の判決を受けた後、無罪を主張し、市人民裁判所に控訴しました。トゥクスバヤルと私は1年間服役したが、ほかの牧民はあと数か月刑期を服役しました」と同氏はSMHRICのインタビューに答えた。
家族や親類から入手した訴状その他資料によると、6人は双河林業という国営企業が地元モンゴル牧民の放牧地を不法占拠したため抗議し、2013年5月に逮捕された。1341ヘクタールの牧地は、同企業に占有される前はシンスム・ソム(新蘇莫蘇木)、バヤンノール・ガチャー(巴彦諾尔嘎查)の牧民コミュニティ全体で共同所有していた土地である。
2013年4月には牧民と双河林業間の衝突が発生している。怒った牧民たちは、企業が設置した仮テントを撤去、牧地の即時返還を要求した。その結果、数十人の牧民が暴行を受け、12人が入院した。
衝突直後、6人は地元警察当局に連行・拘束され、その後、オンニュード・ホショー人民裁判所は、1~2年の懲役を言い渡した。SMHRICが入手した2013年の裁判判決の写しによれば、トルゴール、トゥクスバヤル両氏は「生産経営妨害」罪で懲役2年の実刑判決が言い渡された。ムンフバヤル、ナサンダライ、オラーンバル各氏は懲役1年6か月、執行猶予2年、ジャルガルト氏は懲役1年、執行猶予1年の判決を受けた。
トルゴール氏は、ブ・シャオリン(布小林)自治区主席へ公開書簡(2017年3月7日付)を送り、牧民6人が高等裁判所への控訴理由、牧地に対する権利と伝統的なライフスタイルの保護についての懸念を訴えている。
公開書簡に添付された画像は、2014年5月31日、トルゴール、トゥグスバヤル両氏の釈放を歓迎して集まる地元牧民のものである。
「警察当局からの警告と脅迫があったにもかかわらず、多くの同胞が釈放時に留置所まで迎えに来てくれました」とトルゴール氏が電話でSMHRICに語った。「裁判の継続を決心した理由の1つは、私たちが決して犯罪者でないということです。私たちは先祖伝来の土地に住み、ライフスタイルを守るあらゆる権利を有する平和を愛する牧民なのです」。
南モンゴルのモンゴル人の法的権利を長年にわたって弁護しているモンゴル人弁護士フフボラグ氏は水曜日「私は今、アルホルチン・ホショー(阿鲁科尔沁旗)牧民グループの土地の収奪事件に取り組んでいます」とSMHRICに語った。「いつもながら私は公安職員に付きまとわれていますが、あなた方の質問に答えることはできますよ」。
フフボラグ氏は、先に収監された6人の控訴申請が2015年4月に自治区高等裁判所に提出されたことを確認した。「まだ回答を受け取っていないんですよ」とフフボラグ弁護士はSMHRICに語った。「私たちはこの裁判を北京の人民最高裁判所に上告することに決めました」。
勝訴する自信はどのくらいか聞かれると、フフボラグ弁護士は率直に答えてくれた。「勝訴する可能性は極めて低いです。それでも、モンゴル人が自分たちの権利を認識し、それが侵害された時には自分自身を守るために立ち上がることを教えるという意味で必要だと思っています」。