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9月12日(土)の南モンゴルデモ行進
南モンゴル人権情報センター エンフバト代表 メッセージ
掲載日2009.09.14
www.lupm.org
9月12日、南モンゴル「学生運動」デモ行進で読み上げられた、南モンゴル人権情報センターエンフバト代表のメッセージ全文をご紹介します。
皆様、こんにちは。
私はエンフバトと申します。アメリカのニューヨークを拠点とする、南モンゴル人権情報センターの責任者として、南モンゴルの自由と人権運動にご支持くださる日本人の皆様に、御礼申し上げます。
また、南モンゴルの人権、自由と自決権のため、数多くの努力をされてこられた、在日南モンゴルの活動家たちにも、御礼申し上げます。
1981年には、何千名もの南モンゴル学生と知識人が大規模のデモ行進を行い、中国政府の漢人入植政策に強く反対しました。28年も経っていますが、中国政府の南モンゴルでの植民政策は変化していません。大量の漢人移民は続き、モンゴル人たちは自国で少数になって、南モンゴルは典型的な中国植民地になってしまいました。
自由、人権、原住民の自決権および独立への全ての理念と活動は、分裂主義とのレッテルを貼られ、無条件に単圧されています。中国憲法も認めている民族自治権を求めたハダ氏が15年の禁固を宣告され、現在も赤峰市の刑務所で受刑しています。
国際的に認められた言論の自由、出版の自由と集会の自由を完全に無視し、中国政府は平和的に政治的立場を表現するための、モンゴル人の全ての集会を非合法集会と断定し、その提起者と参加者を逮捕、拘束または投獄しています。ごく最近、中国植民政策を反対するための平和的な集会をフフホトで起こそうと提起したアラマス氏が逮捕され、1年間の自宅監禁を宣告されました。
何千年も保ってきた遊牧生活様式が、今、基本的に否定され、強制的な変化を強いられています。その遊牧文明を創造し、維持して来たモンゴル人牧民たちが環境破壊と砂漠化の責任を負わされています。
南モンゴルで実施している漢人入植と同化政策を正当化する為に、中国政府はいわゆる生態移民と全面禁牧の政策を取り、モンゴル人牧民たちを牧場から強制的に移動させ、漢民族人口が圧倒的に多い都市郊外と農業地域に移住させています。全面禁牧の下で遊牧または自由放牧は“違法行為”、言い換えれば犯罪と考えられ、家畜が没収され、放牧者が暴行、逮捕と罰金の対象になっています。
中国政府は2年前に国連先住民の権利宣言にサインしました。その理由はこの宣言の通りモンゴル人など先住民の権利を保護するためではなくて、“中国では先住民はない、だから先住民問題はない。先住民問題は白人の植民地であるアメリカ、アフリカとオーストラリア大陸だけにある特有の問題だ”との論争を国際社会に押し付けるためです。だから、国際社会の前でモンゴル人など先住民の権利を勝手に無視し、蹂躙する特権を持つようになったということです。
南モンゴル原住民の権利を保護し、または国際社会に南モンゴルの諸問題を訴えるためにスペインで世界遊牧先住民大会に参加したナランビリグ氏は帰国後逮捕され、1年間自宅に監禁されました。中国当局は彼のパスポートを没収し、国民の基本人権である移動の権利を奪いました。
モンゴルの伝統医療でモンゴル人の患者を治療していたナゴンビリグ夫婦が、“非合法宗教と非合法ビジネス”の罪で、夫のナゴンビリグ氏は10年の禁固を、妻のダゴーラーが5年の自宅監禁を宣告されました。
全てのモンゴル語の出版物は当局の厳しい監視を受けなければなりません。南モンゴル人の自由、人権と独立への憧れを表現した出版物は言うまでもなく、モンゴルの歴史、伝統と文化などを偏見なしに人々に伝えようとしたモンゴル語の本、雑誌、CD、DVDも禁止され、たまに大衆から没収と回収も行われています。
モンゴル語のウェブサイトとインターネット談話室も“民族主義と分裂主義言論の温床”とレッテルを貼られ、頻繁に閉鎖させられています。“故郷談話室”と“モンゴルネット”はその例であります。
要するに、中国政府は南モンゴルの自決権と自治権だけはなく、人間としての基本的な人権と自由も略奪したということです。
日本は世界経済大国だけはなくアジアの重要な民主主義国家であります。そういう意味で日本に対し、国際舞台でもっと積極的な役割を果たし、アジア地域の民主化において欧米の国々よりもっと大きな役割を果たされますことを期待しております。自由、人権と民主を愛する日本国民にも中国植民地支配下のモンゴル人、チベット人とウイグル人などの先住民の自由と人権運動に、より大きなご支持、ご支援も期待しております。
ありがとうございます。
2009年9月12日
南モンゴル人権情報センター 代表 エンフバト
南モンゴル学生運動デモ実行委員会
2009年9月12日(Yisenhusel)
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