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フフホトにて、ハダさん一家の短い再会 |
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著名な政治囚ハダさんの妻シンナさんの兄弟であるハスさんが、2011年7月5日、中国内モンゴル自治区の区都フフホトにある内モンゴル第一刑務所においてシンナさんと面会した。これは2011年2月20日に、一人の親戚がハダの家族と会うのを許されて以降、初の面会となる。
中国の監獄に15年間服役した南モンゴル人政治囚のハダさんは、2010年12月10日に釈放される予定であった。しかし、ハダさんは自由になる代わりに、彼の妻シンナと息子ウィレスとともに逮捕されて拘束されることになった。現在、ハダさんはフフホト郊外の秘密の監獄に、シンナさんは内モンゴル第一刑務所に、ウィレスさんは内モンゴル第三刑務所におり、家族3人が全員別々の施設内に留め置かれている。
84歳になるシンナさんの老母ハンシュウランさんによると、何度も申請した末にようやく、シンナの兄弟であるハスが、拘置所でシンナさんと1時間だけ面会することを許可されたという。期限のない拘束と、書店を「違法経営」したとして起訴されていることで、シンナさんがストレスを受けて苦しんでいることは明らかである。当局は未だにこれらの罪を基礎づける証拠を提出できないでいる。
「証拠がないのにも関わらず、公安局はシンナを拘束する必要性があると何度も私たちに言いました。私たちは、ハダとウィレスを訪ねることも許されておりませんが、2人への面会を要求し続けています。」と、ハンシュウランさんは南モンゴル人権情報センターとの電話を通じて語った。
また、ハンシュウランさんが南モンゴル人権情報センターに対して語ったところによると、公安局の職員が彼女と娘のナラーさんのところに何度も訪ねてきて、ハダさんに、「もはや誰も協力者のいない」彼の思想を捨てるよう説得することを強いたという。
「数日前、彼らは最近撮影したハダの写真を3枚持ってきました。ハダは外出を許可されて、彼らと山の近くに行ったようです。しかし、ハダは、このようなことは価値がないと考えていて、もし釈放されたら当局が彼の自由を剥奪し、非人間的な取り扱いをしたことを訴えるという決意を変えてはいないようです。」とハンシュウランさんは語る。
シンナさんの妹であるナラーさんは、当局のしつこい圧力と度重なる嫌がらせにより、健康を害している。ハンシュウランさんが南モンゴル人権情報センターに話したところによると、ナラーさんは、ハダさんに対して、公安局が指示する通りに「彼の親戚は全員もはや彼を支える気持ちはなく、彼から離れようとしている」という内容の手紙を書くように強いられてきたという。これに激怒したナラーさんは手紙を書くことを拒絶したものの、数日間病気で寝込んでしまった。さらに、ナラーさんは、もし家族に関する情報を海外のジャーナリストや人権団体に明かした場合には投獄するぞと、何度も脅迫されたという。
「私たちの会話は全て盗聴されています。彼らは、私が南モンゴル人権情報センターからの電話に応対したかどうか、直接質問してくることさえしました。私は応対しましたと答え、そしてこれからも応対するでしょうと言いました。」とハンシュウランさんは話し、続けて南モンゴル人権情報センターに対して「家族の一員として、ハダ、シンナそしてウィレスのことをいつも気にかけ続けてくれていることを感謝します。」と謝意を表して下さった。
「彼らは、外国の団体やジャーナリストは全て嘘つきだと言います。私は笑って彼らに言いましたよ。人を馬鹿にしないでちょうだい。84年間も生きているのよ。誰が良い人で誰が悪い人かくらいは分かるわ。ってね。」少し高揚したハンシュウランさんは、続けて強い口調で言い切った。「もし私を刑務所に入れるのなら、どうぞご勝手に。喜んでそこで死ぬわ。と言ってやりました。」