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レアアース産地で知られる内モンゴル包頭市のレアアース工場(FREDERIC J. BROWN/AFP/Getty Images) |
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【大紀元日本7月26日】仏ル・モンド紙のセシレ・ボントロン特派員は20日、内モンゴル包頭市についての記事の中で、中国で行われている大規模なレアアース生産は環境を汚染して住民を害し、家畜や水、土壌にすでに挽回できないほどの壊滅的な損失をもたらしていると報じた。
内モンゴル自治区包頭市は中国最大のレアアース生産基地だ。上空から見下ろせば大小の渓流が集まってできた湖のように見える10平方キロメートルの巨大な廃水湖には、周辺工場から17種類のレアアース廃水が排出されている。水中には有毒元素が含まれているため、魚はおらず水草もほとんど絶えてしまっている。
現地に住む李桂栄さん(音訳)によると、1985年から包頭鉄鋼の工場がレアアース採掘を始めてからこの廃水池ができたという。80年代終わりごろから村人たちは栽培している野菜が結実しない、あるいは結実しても非常に小さく、味も良くないことに気付いた。さらに10年経つと汚染はますます深刻になり、野菜は全く育たなくなったため、工場付近のいくつかの村の村民は田畑を放棄したと話す。
こればかりではなく、包頭市では各種の工業工場や火力発電所も同地区の汚染を深刻化させている。排出される石炭灰が家屋の周囲に漂い、手を伸ばせば粉塵をつかむことができるほどだ。現地住民は硫酸など化学物質の蒸気や石炭灰を吸い込みながら生活しているうえ、土壌、地下水にも有害化学物質が充満している。
一方、今年5月の国内紙・中国聯合商報は、「レアアース王国」とも呼ばれる南方の江西省カン州市のレアアース鉱区について報じていた。「はげ山の山道両側の河道が流失した土砂で完全に埋められ平らになっている。一部にまだ採掘価値のある鉱山の斜面には白いパイプが何本も挿され、まるで体中に点滴を打たれ、息も絶え絶えに死を待つ病人のようだ」。このような様子は中国各地のレアアース採掘の氷山の一角に過ぎないと同報道は報じている。
工業情報部の蘇波・副部長によれば、レアアース採掘は先ず鉱山に生える植物を全て排除したあと、2、3メートル間隔に穴を掘り、酸性の液体を注入する。以前はシュウ酸を使用していたが、現在は硫酸アンモニウムを使用しているという。1トンのレアアースを採掘するためには7、8トンの硫酸アンモニウムが必要だ。硫酸アンモニウムは長い間地下に残留し、もし地下水に流れ込んだら、結果は想像に耐えないと蘇氏は述べている。
さらに、レアアース抽出後の廃水に多くの有害物質や放射性物質が含まれている。ル・モンド紙は、これらの物質が採掘現地で、すい臓がん、肺がん、白血病を引き起こしていると伝えている。
レアアース汚染問題について新唐人テレビは2010年、現地住民に対し取材を行っており、包頭鉄鋼の廃水汚染に加えレアアース選鉱くず湖汚染により近隣の村数カ所でがん患者が激増していることを報じている。
(翻訳編集・市村)
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