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中国の景気減速で内モンゴルの市財政悪化-投機的融資の結末
ブルームバーグ
2013年7月16日
7月16日(ブルームバーグ):中国北部の内モンゴル自治区オルドス市。幸運を意味する中国語が書かれたポスターで飾られた店舗のドアは施錠され、未完成の開発地にはクレーンが放置されている。作業員の寮のドアは風の中でキーキーときしむ音を立てている。
不動産業者のチャン・ウェイ氏によると、中心部の集合住宅販売は事実上ストップした。中国の記録的信用ブーム時に建設が急増した同市ではここにきて歳入が減少し、李克強首相が抑制を目指す投機的融資の結末が浮き彫りになっている。
中古建設機械を取り扱うガオ・ウェイさん(30)は「ここ数年は豊富な石炭があったっため国中から人がやって来ていた。今は経済が崩壊して誰もいなくなった」と話す。
オルドス市の内部崩壊は中国の景気減速の極端な例だ。政府が15日発表した経済指標では工業生産
が2009年の世界的リセッション(景気後退)以降で最低の伸び率に並び、今四半期も景気減速が進む可能性を示唆した。李政権にとって課題は、地方財政や
過剰生産能力を抱える産業の破綻を乗り越えられる経済成長の回復力を確保することだ。
ソシエテ・ジェネラルの中国担当エコノミスト、姚煒氏は、地域経済をどう誘導するかなどの点でオルドス市は他の地域への警告だと述べ、「地方政府はこの新たな環境下で何をすべきかについてまだ目を覚ましていない」と指摘した。
国家統計局が15日発表した4-6月(第2四半期)国内総生産
(GDP)は前年同期比7.5%増加に伸びが鈍化した。6月の工業生産は前年同月比8.9%増と、旧正月(春節)の祝日の影響が統計に表れる1月や2月を除けば、09年以来の低水準に並んだ。
統計を受け、政府が13年の7.5%成長目標の維持に向けて動きに出るとの観測が高まっている。野村ホールディングスは中国が銀行の預金準備率
を14年6月までに4回、計2ポイント引き下げると予想。バンク・オブ・アメリカ(BOA)は、当局が「限られた規模で何らかの拡張的財政政策を導入す
る」との見方を示した。
野村は15日、14年の成長率予想を7.5%から6.9%に下方修正。JPモルガン・チェースは7.2%に引き下げた。
国家統計局の盛来運報道官は15日の記者会見で「改革による一時的な痛みを被っている」との見解を示した。
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MQ0AJ16K510701.html