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2分でわかる中国用語:民族自治区…全国5カ所の省レベル行政区
編集担当:如月隼人
2013年9月11日
中国は全国を(台湾を含む)23の省、5つの民族自治区、4つの中央直轄市、2つの特別行政区に分割している。5つの民族自治区とは北から内モンゴル自治区、新疆ウイグル自治区、寧夏回族自治区、チベット自治区、広西チワン族自治区だ。
中央直轄市は北京、天津、上海、重慶の4市、特別行政区は香港(ホンコン)と澳門(マカオ)。
すなわち、民族自治区は省と同格の「省級行政区画」されている。省の行政トップが省長と呼ばれるのに対して、民族自治区の行政トップは主席と呼ばれる。民族自治区の主席は一般的に、同自治区の主要少数民族の者が就任する。
ただし、中国では各地の共産党委員会書記が「立法・行政・司法などすべてを統括する責任者」だ。民族自治区の書記は他地域の出身者が就任しており、たいていの場合には漢族だ。つまり、民族自治区は少数民族に一定の自治を認めながらも、最高責任者は共産党中央が任命する漢族が就任することが恒例になっている。
なお、各省の共産党委員会書記も他地域出身者が就任する場合が多い。
民族自治区の下の行政区画としては、自治県、自治州、自治郷などが設けられている。例えば重慶市にある酉陽トゥチャ族ミャオ族自治県のように、省や中央直轄市に少数民族の自治県や自治州などが設けられている場合もある。
内モンゴル自治区は面積118.3万平方キロメートルで、人口は2489万8500万人(2012年末)。うち80%近くは漢族。なお、日本でいう「内モンゴル」は中国語の「内蒙古」にもとづく。モンゴル語では「オボル・モンゴル」で「南モンゴル」の意。
新疆ウイグル自治区は面積166.49平方キロメートルで、人口は2232万7800万人。うち少数民族は6割程度とされる。この地域は、トルコ系民族が居住する地域の東地方との意味で「東トルキスタン」などと呼ばれた。中国側は古い時代には西域などと呼んだ。東トルキスタンを支配していたモンゴル系のジュンガル帝国が清に滅ぼされた。清は版図に組み込んだ同地を新疆などと呼んだ。
寧夏回族自治区は面積6.64万平方キロメートルで人口は625万。うち35%程度が回族。
チベット自治区は面積122.8万平方キロメートル(未確定国境あり)。人口は303.3万人で、約9割がチベット族。なお、中国国内におけるチベット族居住地は同自治区の東側にある青海省、甘粛省、陝西省、四川省、雲南省などに広がっている。中国語の「西藏自治区」は本来、「西チベット自治区」と訳すべきだが、日本では通常、「チベット自治区」としている。
広西チワン族自治区は面積23.76万平方キロメートル。人口は5240万人で、チワン族など少数民族が約38%を占める(2012年末)。「広西」の地名が見られるようになったのは宋代。清代から中華人民共和国初期にかけては広西省とされた。
中国の5つの民族自治区の面積を合計すると、同国の陸上部分面積の約46%になる。人口では約11%。(編集担当:如月隼人)
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2013&d=0917&f=column_0917_018.shtml