40人余のモンゴル村民が2014年4月12日、南(内)モンゴル東部トンリョー(通遼)市モリンスム・ソム(莫力庙苏木)、マリンゲル・ガチャーで自らの牧草地を中国石炭輸送会社から守ろうとして逮捕された。地元の村民は市当局から派遣された400人以上の武装警察によって増員された地元警官に殴られたり投獄をほのめかして脅されたりした。
「そうですね、事件について聞いています」と、モリンスム・モンゴル中学校職員のアルタンサンはSMHRICの電話インタビューに答えた。「実は、数分前に友人の一人が衝突と逮捕について電話してきたのです」。
「友人の親戚が警察に連行され、まだ勾留センターにいるそうで、大変心配していました」と付け加えた。
「4月12日、武装警察が村民の牧草地を強制的に接収した。警察は盗賊よりもひどかった。自分で目撃しなければ誰も信じることはできないでしょう。警官は村民の携帯と財布を奪い、女性たちを殴り、銃で脅し、無実の人々を逮捕したのです」。中国版ツイッター新浪微博の書き込みによると、「牧草地を守ろうとした40人以上の村民が逮捕された」ことは確かである。
事件について調べるため、SMHRICがモリンスム・ソム人民政府に電話をかけると、職員は武装警察と地元村民の間で衝突があったことは認めた。しかしながら、それ以上の詳しい事情について話すことはなく、モリンスム・ソム党書記の電話番号を告げた。ただし、党書記室の電話にも携帯にも誰も出ることはなかった。
SMHRICが電話で確認したところ、モリンスム・ソム警察庁は「土曜日に起こった事件のことを言っているんですか」と答えた。「はい、村民が数人連行されました」。ところが、逮捕されたモンゴル人40人が今も拘束されているのかどうか聞くと、電話を上役に回した。「電話で詳しく話すのは都合が悪いので、もし事件についてもっと知りたいなら、こちらまで来て下さい」と言って、その上役は電話を切った。
「4、5人の警官がモンゴル人女性を激しく殴り、彼女の服をビリビリに破いていました。鼻血も出ていました。また、地面に倒れている人もいました。警官は牧民たちをパトカーに無理矢理乗せました」。ソガというハンドルネームの目撃者が腾讯微博に書きこんだ。「この人々はモンゴル草原を収奪しながらモンゴルの土地にいるのです。全ての南モンゴル人よ、このメッセージをできるだけ拡散して下さい!」。
別の事件では、南モンゴル東部ヘシクテン(克什克腾)旗バヤンチャガン・ソム(巴彦査干苏木)、チャガンオウォー・ガチャーのモンゴル牧民約150人が内モンゴル银都矿业有限公司前で座り込みを行った。
中国北部にある銀・亜鉛・鉛の大鉱山の一つとして、鉱山会社は地元牧民コミュニティの広大な土地を占拠しているだけでなく、有毒な廃棄物を適切な処理をしないで直接牧草地に捨てている。その中毒によって非常に多くの家畜が死んだと、牧民たちは苦情を訴えている。
バヤンチャガン・ソムの地元警察に加え、旗庁所在地バヤロー(经棚镇)から派遣された武装警察200人余が現場に到着した。抗議行動に参加していた人々が分散させられる前に牧民8人が逮捕された。大勢が暴行を受けた。
「女性と年配の牧民が大勢いました。牧民たちは企業が生産活動を止めることを要求していました」と、このガチャーのジャルガルと名のる牧民がSMHRICに語った。「しかしながら、警察が来て牧民たちを殴ったのです。少なくとも8人が連行されました」。
「牧民たちには何の非もないのです! 牧民たちはただ正義を要求しているだけです。警察はなぜ8人の牧民を逮捕したのでしょう。羊や牛がいなければ、牧民はどうして生計を立てたらいいのでしょうか。牧民たちが正義の闘いを続けるため、同志たちがこの事件について広めてくれますように!」とバーリンと名のるモンゴル人が新浪微博に書き込んだ。