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中国当局がモンゴル人集落の土地権を踏みにじった

 

2005.9.25

 

20044月、内モンゴル自治区ホルチン・バローンガリン・ドンド・ホショー(科尓沁右翼中旗)副書記リウ・フェンハイ、フンドゥルン・ソム(蘇木)党書記トン・チンチュン、ソム長ティエ・リアン、ホショー警察署副署長スンとウー・ジンシャンらが、西ヒャンガンオボーに住むモンゴル系住民110世帯を訪ねた。これが、モンゴル系住民の共同体と生活を完全に崩壊させた一連の事件の端緒となった。

西ヒャンガンオボーの採掘計画について、約80名の住民が出席して会合が開かれた。役人らは、隣の東ヒャンガンオボーおよび中央ヒャンガンオボーを含むソム役場と住民に採掘計画中の加工済砂鉄1トンに対し8元を支払うと提案した。採掘会社は、リウ・フェンハイの甥と隣接する河北省の契約会社の共同所有になっている。住民は、採掘地には自分たちの牛牧場と千数百ヘクタールの農場のある山野が含まれるためこの提案を受け入れなかった。また、初期投資が800万元(=12000万円)に達する巨大プロジェクトであるにもかかわらず、補償が不十分であると感じていた。結局、採掘会社がヒャンガンオボー村の各世帯に2000元支払うという口頭による合意に達した。

住民は、採掘会社のために井戸の掘削その他の建設工事を引き受けた。200411月、採掘のための準備作業が終わったが、住民は当局からも会社からも補償に関して何も聞かされていなかった。住民が採掘会社に補償金を求めると、会社側は、すでにホショーとソムに対し支払い済みであることを告げた。住民は、ソム当局(トン・チンチュンとティエ・リアン)に赴き、補償を求めた。トン・チンチュンは、補償についてはホショーのリウ・フェンハイ副書記が担当しており、ソム当局は採掘に関する現行法律と政策について関知していないと住民に伝えた。住民にとっては農繁期に80キロも離れたホショー役場に行く余裕がなかった。そのため、採掘会社に申し入れ、補償されるまで採掘を阻止しようとしたところ、衝突が起こった。負傷者は出なかったものの、採掘会社の事務所のドアと窓が壊された。この事件から数日たった深夜、警官が数世帯に立ち入り、ダフユ(達夫余)、アマルズルフ、テクシバヤルら3人を逮捕した。3人は警官から暴行を受けた上、1週間以上拘束され、農場での重労働に就くため「労働矯正センター」に送られ、重労働に従事することになった。住民は、当局による弾圧と屈辱を許すことができず、200人以上の成人(ガチャーの大部分の成人)を集め、3人の逮捕理由を質すため、トラクターと馬車でホショー役場のあるバヤンホショーに向かった。住民らは、馬車やトラクターで3泊し、当局の恣意的な逮捕と不正行為に抗議するため、ホショー役場前で一日中座り込みをした。最後日になって警察の報道官が住民らに向かって「採掘会社への妨害をしなければ、3人は釈放される」と伝えた。報道官は、工事の邪魔をする者は誰でも10年以下の禁固刑が科されると強調した。ある勇敢な住民が3人の逮捕理由をたずねると、「暴動が起こった時、その最前線にいたからだ」と答えた。さらに、警察は、採掘地の警備に5人の警官を派遣した。この警官らは、村で一日中パトカーを走らせて住民を威嚇した。この採掘プロジェクトが役人とビジネスマンが共謀していることが住民には明らかであった。この間当局がとった措置によって、住民は混乱したり精神的なショックや疎外感を感じるに至った。党書記もヒャンガンオボー・ガチャー()長も、権利を奪われた住民に反対の立場であるのが明らかで、採掘ビジネスマンと共謀していた。当局の威嚇にもかかわらず、ほとんどの住民が不法な役場と貪欲なビジネスマンと闘い続ける意志を固めていた。

20056月下旬、ヒャンガンオボーの闘いと弾圧が新しい段階に入った。採掘会社は、加工済砂鉄を運ぶ近道をつくるため、山や自然の牧草地を切り開いた。住民は、村道を使用すべきだと主張し、牧草地の破壊によって牛などの財産が失われていると役場に訴えたが、フンドゥルン・ソム職員のフ・リウジュ、ヒャンガンオボー・ガチャー党書記バヤンサンらは、山を切り開く許可を採掘会社に与えたのである。道路工事を妨害するため、怒った住民らが山に集結した。警官らは、ブルドーザーの運転手に住民をひくよう命令し、住民らに銃を向けため、再び衝突が起こり、住民の多くが武装警官に暴行された。数名の警官が軽い打撲傷を負い、パトカーの窓ガラスが割られた。この事件後、住民は警察の報復を恐れ、いっそう緊張して怯えるようになった。昼間は農場で働き、夜間は1シフト20人の見張りを立てて用心した。

2005713日、リウとトンが採掘地を訪れ、フンドゥルン・ソムのバイ・ジンスオをガチャーに派遣した。パイは、ホショーとソム当局による解決策を伝えるため2日以内にもどると住民らに言っていたが、結局もどって来なかった。そして、トンから住民に電話連絡があり、ホショー、ソム当局のどちらも住民と採掘会社の衝突には関与せず、ガチャーから警官隊を引きあげると伝えた。住民は、警官が退却する一方で、約30人を乗せた車両6台と様々な武器が採掘会社によって運び込まれていることに気づいた。住民らは、当局の決定によって絶望し、怯え、失望している。住民には、この採掘事業が、役人とビジネスマンだけでなく、暴力団までも介入した事件にエスカレートしてきたことがわかっていた。住民は、流血の惨事と役場による厳しい対応を予想した。 

新しい情報が入り次第すぐに伝えることにする。当面は貧困にあえぐ住民らの安全を心から祈るだけである。

最新情報1:

2005718日、村の178名のおとなたちが、道路工事と採掘を妨害するため山にキャンプを設営した。暴力団が住民に危害を加えることはなかったが、住民がキャンプを設営してほんの数時間後、完全武装した警察の積荷がウー・ジンシャンに率いられた武装警官50人と数台の車が鉱山に来た。トラックに乗った警官は、住民に向かって警棒を振り、何人かはライフル銃を住民に向けていた。住民らも忍耐強く、また、警官と鉱山労働者も住民の数が自分たちのそれより多かったため、すぐに衝突は起こらなかった。ところが、午後、山ごもりしている住民のための食料を取りに行くため、数人が村にもどらなければならなかった。山にもどる途中、住民らは、暴力団によって待ち伏せされ襲われた。住民のナサンブフとホアラは頭に重症を負い、ほかの住民2人も重症を負った。ナサンブフとホアラのふたりはバヤンホショー病院に搬送された。証拠写真はまもなくサイトで公開予定である。

連絡先:

西ヒャンガンの住民:86(482)491-4058 この番号はおそらく盗聴されており、すでに通じないかも知れない。住民は漢語があまり話せず、連絡にはモンゴル語が必要である。

最新情報2 (2005721)

ヒャンガン・オボーの電話回線は現在利用できなくなっている。以下は、隣接の村の電話インタビューによって得られた最新情報である。

1.ヒャンガン・オボー村の電話回線は現在通じなくなっている。

2.電気は怒った住民によって止められている。住民は電気を止めて、鉱山労働を阻止しようとしている。

3.ナサンブフ(襲撃されて重症を負った)は頭を15針縫っており、話すことができない。頻繁に吐いており、うわごとを言っている。ホアラは2日間意識不明で、いまだ危険な状態にある。

4.ほかにも6人が待ち伏せ襲撃時に警官と暴力団によって負傷している。

5.住民は砂鉄の輸送を妨害するため、全員山に移った。

6.隣接する町の住民によると、警官隊は現在2倍に増員され、100人以上にふくれあがっている。

7.山と村の間の距離は約2キロで、キャンプを張る住民への食料補給が難しくなっている。増員される警官と暴力団による道路での待ち伏せと襲撃が村では日常茶飯になっている。

事件の証拠写真は、届き次第、ウェブサイトに掲載する。 

追記:住民らは、アマルズルフが背中と腕に傷を負っている写真をもっている。アマルズルフは昨年冬、刑務所で警官により拷問を受け、まだ農作業ができない状態である。

(南モンゴル人権情報センター 2005722日メールによる情報)

 

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