在日の3少数民族訴え 北京五輪後に弾圧強化
2008年10月19日
朝刊
東京新聞
在日のチベット、モンゴル、ウイグル人らが18日、東京都内で「3民族連帯シンポジウム」を開き、北京五輪後の中国で少数民族への弾圧が以前にも増して強まっている実態が報告された。19日には都内で大規模デモを行い支援を訴える。 (外報部・佐々木理臣)
この日のシンポジウムは在日三民族でつくる実行委員会が主催。パネリストとして三民族の代表や日本の評論家らが壇上に立ち、約二百人が参加した。
パネリストらの話を総合すると中国政府は今年八月の五輪期間中、国際社会からの批判の目をかわすため少数民族弾圧を一時的に“緩和”した。しかし五輪後、新疆ウイグル自治区では中国共産党の書記が「民族主義者の徹底排除」を公然と宣言。チベット自治区では三月の大規模暴動の参加者を警察や軍当局が徹底摘発、ラサでも主要寺院で私服警官が増えるなど監視体制が一段と強まっているという。
中国製品をめぐる「食の安全」の問題について、討議に参加したウイグル人は「新疆では、ミルクや食品の化学物質混入による健康被害が十数年前から問題化していた。支配者の漢民族の間では『人の命より金』という考えがまん延している」と怒りの告発を行った。
集会とデモは十九日午後一時からJR渋谷駅近くの宮下公園で。