以下は、2018年12月10日、ワシントンD.C.のレイバーンハウス・オフィスビルで開催された異人種・異教徒間会議における南モンゴル人権情報センター(SMHRIC)代表トーチョク・エンフバトによる声明である。
ご臨席の皆様、
世界人権宣言70周年の本日ここに立たせていただき、中国植民地政権下にある南モンゴルのモンゴル人の立場と経験を皆様と共有することは私にとってこの上なく名誉あることです。
600万の南モンゴルのモンゴル人にとっての故郷は、共産主義中国が当該地域を占領した1949年以前には中国の一部であったことは決してなかったのです。中国「初の民族自治区」となり、南モンゴルは中国による粛清・民族浄化・同化・乱開発・環境破壊を継続的に受けてきました。
1960年代から70年代に起きた中国の大規模なジェノサイドを生き抜きましたが、南モンゴルのモンゴル人は今日「文化的ジェノサイド」と私たちが呼んでいる別の形のジェノサイドに直面しています。中国政府は、モンゴルの独自の文化と遊牧文明を一掃してしまうつもりなのです。これを進めるため「生態移民」「禁牧」そして最近実施された母語で教育を受ける権利を完全に否定するための「モンゴル民族学校におけるバイリンガル教育の実験」を含む政策が実施されています。
数千年にわたって自然と人との完全なバランスの上に暮らしてきたモンゴル人が、漢民族による持続不可能な農業や無法な鉱山開発によって引き起こされている環境破壊に関して非難を受けているのです。自らの土地と権利を守るために立ち上がったモンゴル人牧民が集団で逮捕・拘束され、収監されています。モンゴルの文化・言語・伝統が弾圧され、モンゴルの地域コミュニティは破壊されているのです。
中国の支配体制はその本質を注意深く観察するなら、中国本土の漢民族と占領地された私たちとでは全く違う意味をもっています。漢民族にとって中国の支配体制は独裁体制です。一方、南モンゴルのモンゴル人・チベット人・ウイグル人にとってのそれは独裁的な性質を有した植民地体制なのです。
テロリズム・過激主義・宗教対立と派閥の暴力について最近よく議論されています。ところが「国家テロ」には世界はほとんど無関心です。中国が漢民族同様、ウイグル人・モンゴル人・チベット人に対してどのようにテロを実行しているかよくご覧になって下さい。中国の支配体制つまり中国共産党は、地球上で最大かつ最も残忍なテロ組織なのです。
したがって、人権を守り自由を獲得することは、私たちの前に立ちはだかる唯一の課題ではありません。自由・民主主義の世界に生きる人々の無関心と行動しない姿勢が世界人口の4分の1を占める漢民族に国家テロを継続させています。その人々を目覚めさせるのも私たちの責任なのです。
ご清聴ありがとうございました。
原文: https://www.smhric.org/news_647.htm